実は久しぶりに怒濤のレコーディングエンジニアしていたのですよ。
昨年知り合った
セイノユカさん企画のライブで
キッコリーズを初めて聴き、CDも購入しすっかり魅了されて、無謀にも「録音させてもらえないか」と声を掛けたところ、ボーカルで「シンガーソングノコギリスト」の
カポウさんが自分のソロアルバム制作の構想があるのでタイミング良く是非!ということに相成ったわけです。
フタを開けてみるとプレイヤー陣がすごく豪華でびっくり!
まずはウクレレで
富永寛之さん、ギターに
古舘賢治さんという布陣で一発録り。冬の札幌に太陽のようなオーラで「ばばばーん」と登場した富永さん。そして古舘さんは優しい旅人風情。そんなスゴイ人達が来るとは思っていなかったびびりワタクシ。
いきなり慣れないアコースティック楽器の録音で、じっとりと大汗をかきながら右往左往と準備する私を尻目に一流プレイヤーの方々はサラリとスタンバイして優しく見守っているスタジオ内。
小さなウクレレ大きな手で繊細超絶テクニックの富永さん、「カルロス!グッジョブ!」と叫びたくなるソンブレロが似合う古舘さん、この二人の組合せ、今回のレコーディングが初顔合わせと聞いてびっくり。演奏はヒジョーにタイヘンに素ん晴らしく、エンジニアしながらもうっとりと聴き入り役得役得とほくそえむ録音。どんどん録っていけるのだ。一日8曲とか!ピャー
この現場に立ち会えたことは私の財産であります。完成した音はCDで是非ゼヒ!
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(富永さん、カポウさん、古舘さん) |
続いて日を改めての録音は、ベースの
ボブさんとウクレレの富永さん、そしてバイオリンの鈴木裕さん。
実はウッドベースを録るのはこれが初めてで、どこに何のマイクを立てて録ったら良いのやら分からなかったので4本のマイク、ノイマンU87とシュアーSM57×2本、そしてAKGのチューブマイクを立てて録りって自分の持っているマイクすべてだったりする。ミックスダウンの時、自分で自分の首を絞めるような行為。はい、後で死にました。そしてボブさんの「うっふん、ふんふん」という演奏中の熱い吐息もしっかりとマイクでキャッチしておりまして、それが絶妙な調味料として味わい深いグルーブを醸し出しております。
バイオリンの裕さんはレコーディングの時も当然半袖Tシャツでありまして、パチクリしながらスラ~ッと美しい旋律を紡ぎます。マイキングが楽というか、ただヒョイとマイクを立てたら「あら美しい音が」的なノリで録れるのです。
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(裕さん、ボブさん、富永さん、カポウさん) |
ンもう、とにかくどのプレイヤーの人も演奏が素晴らしく、愛に溢れ、優しいグルーブでどんどん録れる録れる!ピャー
楽器隊の最後のトドメは「にゃ~」と登場したスティールパンとパーカッションの
山村誠一さん。スティールパン録るのも初めてですよ。ダイナミクス広いです北海道並みに広いです。マイクは上と下で狙うのですね、ハァー豊かな倍音ですね、と感心してばかりでありました。
山村さん、やおら大きな荷物の中から取り出したるは「ちんどん」!そう、チンドン屋のそれ。タイコと鐘の音量差が意外とあって録るの難しいですよ、なので太鼓はショットガンマイクで狙った方が良いかもー、と試したいけど時間も限られておりますよ、と忙しい録音。またも大汗の私。
リズム隊を最後にオーバーダビングするという常識の反対をこなした山村さんは偉大としか言いようがなく、完成した作品を聴くと、まるで「せーの」で一発録音したかの如くぴったりと合っておりマス。
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(山村さん、カポウさん) |
このレコーディングを通じて、アコースティックの3~4人編成一発録りが出来る環境を整えたいなーと思いました。モニター環境と音の分離環境を少し整えれば出来そうな予感。あとはマイクを少々足さないと。アコースティック楽器はやっぱり本当に良いわー。
素晴らしいプレイヤーの人達、最後は「あとはよろしく~ゴッドハンド!」とか私のことを褒めておだてて爽やかに帰っていきます。意味は分からなくてよろしい。
残るはボーカルとノコギリを録るんです。いよいよ。
(その2へつづく)
ミックスダウンもこれまた初体験なことばかりで。
(その3へつづく予定)